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コロクワ 男
ルチ 男
レギンレイヴ 女
犬 性別問わず

ーーー

コロクワ「時という概念に、人間は支配されている。そう思った。だから俺はこの黒夜を朝とし白昼を夜とした。
天球儀を傾けて、北極星を見据え、星々を明かりに……野山を、峡谷を、都市を彷徨いた。
……その果てに見つけた女性は酷く、やつれていた。
レギンレイヴ。大空との契約は、彼女を天使にしたてあげる」

ーなんか曲でも流しとこう ー

レギンレイヴ「コロクワ、どこ?」
コロクワ「ここですよ、姫さん」
レギンレイヴ「今日はどこに?」
コロクワ「白熊狩り」
レギンレイヴ「そう」
コロクワ「姫さんは?」
レギンレイヴ「氷の城を造っていたの。見て?綺麗でしょう?」
コロクワ「相も変わらず器用だ。手乗りの城で、こうも豪奢なのは見たことない」
レギンレイヴ「私の、おうち」
コロクワ「こんな所に住んでたのか?」
レギンレイヴ「えぇ、今は溶けて、解けて、海の中」
コロクワ「そうか。太陽のせい?」
レギンレイヴ「……えぇ」
コロクワ「お天道様も厄介だな。姫さん、この白熊の肉、凍らせられるかい?」
レギンレイヴ「勿論」
コロクワ「よし、じゃあこれは明日用に取っておいて…さ、今日は眠らせてもらうよ」
レギンレイヴ「日が昇りそうね……そう、おやすみなさい」
コロクワ「すまないね姫さん」
レギンレイヴ「気にしないで、私は…大丈夫」
ーーー
コロクワ「おはよう姫さん」
レギンレイヴ「ついさっき、日が落ちたわよ。今は、夜」
コロクワ「でも俺は今起きたから」
レギンレイヴ「そうね、それなら、おはよう」
コロクワ「行こうか、そろそろ夜店が開く時間だ」
レギンレイヴ「ねぇ、コロクワ」
コロクワ「何だい?」
レギンレイヴ「真昼の……貴方にとっては夜なのだけれど、その最中に遊んでくれる人が欲しいわ」
コロクワ「…ふーむ……それは無理があるな。俺とその人の活動時間が見合わない」
レギンレイヴ「そう、ね」
コロクワ「まぁ、街をほっつき歩けば犬にでも当たるだろう。暫くはあそこに泊まるし……それじゃあダメか?」
レギンレイヴ「それでいいわ」
コロクワ「ごめんな姫さん」
レギンレイヴ「いいえ、いいの。私が…いけないのだから」
コロクワ「暫く歩くが、身体は平気か?」
レギンレイヴ「えぇ、もう大分形を取り戻してきたから大丈夫」
コロクワ「何よりだ。行くぞ姫さん。今日は日が長いから、すぐに出発しないと間に合わない」
レギンレイヴ「善処するわ」
ーーー
ルチ「よぉ変人。お前の言った通り、真夜中に開けてやったぜ」
コロクワ「世話になる。ほら、約束通り白熊だ」
ルチ「ははっ、こりゃいい。寝ずに待った甲斐があったよ……お?」
コロクワ「なんだ?」
ルチ「後ろの美人さんは、一体全体どちら様?」
コロクワ「あぁ、氷河の隙間で遊んでたお姫様さ」
ルチ「な、何っ?!氷河の魔女か?!」
コロクワ「あんなもんおとぎ話だったよ。人を食うだとか、凍らせて遊ばれるなんて全部嘘っぱちだ、ただの人間と差程変わりないよ」
ルチ「そ、そうだとしても!何でお前はつるんでるんだ!」
コロクワ「美人を放っておけるわけないだろう」
レギンレイヴ「ええと……初めまして」
ルチ「ひっ、喋った?!」
コロクワ「喋るに決まってるだろ。人なんだから」
ルチ「な、なん……あ、あんた……本当に……?!」
レギンレイヴ「氷河の魔女……です」
ルチ「自分で言うのか?!」
レギンレイヴ「それじゃあ、ええと、名前……名前……」
ルチ「自分の名前はわからないってどういうことだ!」
コロクワ「なんかぽけーっとしてんだろ?こりゃほっといたら男が廃るってもんよ」
ルチ「は、はは……流石胸とケツがでかけりゃ何だっていいバカはちげぇな…」
レギンレイヴ「あ……レギン、レイヴ。私の名前は、レギンレイヴ 」
ルチ「レギンレイヴ…?随分と素っ頓狂な名前だな?」
レギンレイヴ「本当……のはず。多分、えぇ、多分」
ルチ「もっと自信を持ってから名乗れ!!」
コロクワ「そうカッカすんなって。ほら、とっとと金寄越せ」
ルチ「……はぁ、お前の相手は本当に疲れる。ほら持ってけ」
コロクワ「ひぃ…ふぅ…みぃ。よし…確かに受け取ったぜ。また何かあったら呼んでくれ」
ルチ「夜中に電話かけると料金が違うことくらい知ってるだろ……!」
コロクワ「いや昼に電話してくれ。今なら姫さんが受けてくれるしな」
ルチ「は?あぁ、そうなのか……それなら遠慮なく」
コロクワ「そういうこった。じゃあな、ルチ」
ルチ「あぁ、またな」
レギンレイヴ「お世話になりました」
ルチ「いえいえ……はぁ、行った。礼儀はしっかりしてるなあの魔女…一体全体どういうこった…何でこうも変なことばっか持ってくんだ…?あーもうやめやめ、寝よう。考えたってラチが明かない…」
ーーー
レギンレイヴ「わんわん」
犬「ワンっ!」
レギンレイヴ「ワンっ」
犬「くぅーん」
レギンレイヴ「くぅーん……」
犬「バウワウ!」
レギンレイヴ「ばう、わう」
犬「わんっ!」
レギンレイヴ「わんっ……ふふ、可愛い」
ルチ「げっ、魔女」
レギンレイヴ「こん、にちは?」
ルチ「……こんにちわ…うわ、なんだ、その犬の量は」
レギンレイヴ「余った白熊のお肉をあげたら、いっぱい集まってきたの。可愛い」
ルチ「上等な肉を犬にやるなんて……」
レギンレイヴ「上等……?」
ルチ「あぁ、アザラシやらアシカやら、そんなもんより数倍美味いし、馬鹿みたいに栄養が詰まってるからな。この南極じゃ白熊肉は高級なんだよ」
レギンレイヴ「高級……高級、って。何?」
ルチ「高値で取引される貴重なもんってことだ」
レギンレイヴ「高値?貴重……?」
ルチ「はぁ…白熊はそもそも数が少ないんだ。だから数が出回らない、でもさっきの理由から喉から手が出るほど欲しがられる。だから高く売れる」
レギンレイヴ「……数が少なくて、大事なものなら、高く売れる?」
ルチ「そうだよ」
レギンレイヴ「じゃあ、この子達は?」
ルチ「犬か?」
レギンレイヴ「えぇ、いっぱいいるでしょう?それなら、安いの?」
ルチ「いいや、犬も高く売れる。なんせ数が必要だし、大事なソリの引手だからな。まぁ、養殖で増やせるから白熊ほど高騰はしないがな」
レギンレイヴ「犬は、食べないの?」
ルチ「俺たち人間にとっちゃ相棒同然だからな…コイツらを食うなんてのは、それこそ死にかけた時だろうさ」
レギンレイヴ「熊は食べて、犬は食べないの……そう」
ルチ「あぁ…氷河の魔女にはわかりにくいか?」
レギンレイヴ「えぇ。とても。ねぇ。
白熊も犬も同じ生き物なのに犬は肉として見ないのはどうして?
白熊の方が力持ちなのにソリの引手に使わないのはどうして?
犬は数が減ればもっと高値で売れるようになるのに殺さないのはどうして?
栄養が沢山の白熊を増やそうとしないのはどうして?」
ルチ「……へ?」
レギンレイヴ「犬はいっぱいいるのに大事な相棒なのよね?
じゃあ、白熊は数が少ないのにお肉としてしか大事にされないのはどうして?
白熊は相棒になれないの?犬だって、白熊だって、人間を殺すことはあるし。仲良くすることもできるわよ?」
ルチ「はぁ……?」
レギンレイヴ「ルチ、さん」
ルチ「は、はい……?!」
レギンレイヴ「高級って、なぁに?」
ルチ「だ、だから……」
レギンレイヴ「人間に必要だったら、高級?価値が、ある?」
ルチ「ぇ…は……」
レギンレイヴ「価値がなくちゃ、大事にされないの?」
ルチ「何、何を……いいた……っ?」
レギンレイヴ「でも、それって可笑しい。価値があるなら、白熊の命だって大事にされていいはず」
ルチ「…な、なんなんだ?!」
レギンレイヴ「なのに、殺す。ごはんとして、殺す。犬も食べれるのに、わざわざ白熊を殺す。殺されることに価値がある。それは、価値が違うってこと?価値、価値って、何かしら?」
ルチ「か、ち……」
レギンレイヴ「難しい。ね、マクベス」
犬「わんっ!」
レギンレイヴ「美味しくなくても、あなたは栄養がありそうね」
犬「わんっ!」
レギンレイヴ「それなら、摂取されてもいい筈」
犬「わんっ!」
レギンレイヴ「でも、価値が違うから食べて貰えない。犬は価値がない、お肉としては、価値がない。でも、相棒だからお名前をあげる。マクベス、貴方はジョージ、貴方はネロ、貴方はジンム、貴方はワシントン。人間にとって、価値のある名前をあげる。私はレギンレイヴ。よろしくね」
犬「バウワウ!!」
レギンレイヴ「……ルチさん?あれ?」
ーーー

コロクワ「おはよう姫さん」
レギンレイヴ「おはよう」
コロクワ「昼は楽しかったかい?」
レギンレイヴ「えぇ、でも少し溶けてしまったの」
コロクワ「今日は腕か……やっぱり昼には向いてないんじゃないか?姫さんの身体」
レギンレイヴ「そうね……向いて、ない。私は、昼に向いてない…犬はご飯に向いてない、白熊は相棒に向いてない」
コロクワ「ん?あ、なんか変なこと覚えてきたな姫さん」
レギンレイヴ「えぇ、少しだけ」
コロクワ「さ、もう1日ここに泊まるが……姫さんは何がしたいことはあるかな?」
レギンレイヴ「ないわ」
コロクワ「そうか……じゃあ、今日は夜市に連れていこう」
レギンレイヴ「夜市。夜の、市場」
コロクワ「きっと姫さんも楽しめるさ!なんてったって燈とうまい飯!沢山の人がいるからな!」
レギンレイヴ「楽しい……?」
コロクワ「あぁ、そりゃ勿論」
レギンレイヴ「たの、しい。」
コロクワ「楽しい、わかるか?」
レギンレイヴ「えぇ、わかる。コロクワといる時の、温かい感覚」
コロクワ「ん?…ははっ…それは照れるな」
レギンレイヴ「コロクワ、楽しいは、価値がある?」
コロクワ「勿論!」
レギンレイヴ「……そう」

ーーー
コロクワ「腕、隠せてよかったな。やっぱりコートは何よりいい防寒具だ」
レギンレイヴ「うん」
コロクワ「どうだ?面白いか?」
レギンレイヴ「人がいっぱい、匂いもいっぱい。皆、楽しそう」
コロクワ「だろ?やっぱり夜はいいもんだ」
レギンレイヴ「夜には、価値がある?」
コロクワ「勿論あるさ」
レギンレイヴ「昼は……?」
コロクワ「勿論、俺が寝る時間だ」
レギンレイヴ「朝は?夕は?」
コロクワ「ん?……んー、そこは微妙かもな。どっちつかずで困る……だが、俺は嫌いじゃない」
レギンレイヴ「……嫌いじゃ、ない」
コロクワ「今日の姫さんは随分と質問ばっかりだな、ははっ、可愛い可愛い」
レギンレイヴ「可愛いは、価値がある?」
コロクワ「……どうしたんだ、姫さん」
レギンレイヴ「私は、レギンレイヴ……価値は、ある?」
コロクワ「姫さん……?」
レギンレイヴ「氷河の魔女に、価値はある?」
コロクワ「姫さん、どうした?」
レギンレイヴ「魔女は私だけ、人はいっぱい。
夜だけなのはコロクワ、皆はほとんど昼……私と一緒にいると、貴方も私も楽しい。
楽しいには価値がある。価値が、ある。
昼、私と一緒にいてくれない貴方は……楽しくない。
楽しい?楽しくない、楽しい、楽しくない。美味しい、美味しくない。誰が決める?人間?コロクワ?氷河の魔女?レギンレイヴ?」
コロクワ「姫さん、落ち着けって」
レギンレイヴ「昼に向いてない私は、魔女は、人に必要とされない。
溶けて解けた城は、住めないから、私に……必要ない。
コロクワは夜、私は……夜に向いている。私には、価値がある。
ルチさんは、私を怖がった。ルチさんにとって、私はいらない。
コロクワは、人間。
私は、魔女」
コロクワ「ルチさん?……姫さん、昼間に、あれに何を吹き込まれたんだ」
レギンレイヴ「高級と価値と、シロクマと犬と……お肉と相棒……多いと少ない…… 」
コロクワ「よくわからんが小難しい話だろうな……ったく、もっと気楽に生きようぜ、姫さん」
レギンレイヴ「気楽……気楽……」
ルチ「見つけたぞ!アレが氷河の魔女だ!人の心をわからない、悪辣な化け物だ!殺せ!殺せ!!焼き尽くせ!!!」
コロクワ「ルチ?!それに、お前ら、それは一体!!」
ルチ「コロクワ!!それを殺せ!!!」
コロクワ「何を言ってやがる?!」
レギンレイヴ「殺されるなら、私は……食べられる?」
ルチ「食べるわけないだろ!!魔女は魔女だ!!人間にとって危ないものでしかない!!」
レギンレイヴ「食べないのに、殺される?私は、人間にとって、どんな価値?」
コロクワ「姫さん!考えるのはあとだ!!逃げるぞ!!」
レギンレイヴ「えぇ」
ルチ「逃がすな!殺せ!!あの女は人間の敵だ!!殺せ!!殺せ!!」
レギンレイヴ「私は、仲良くしたい」
ルチ「無理に決まってるだろ!!!忌まわしい魔女め!!死ねっ!!」
コロクワ「銃?!待て、ルチ!!」
ー発砲ー
レギンレイヴ「……痛い」
ルチ「ドタマぶち抜いてんのに……効きやしねぇ!!?」
コロクワ「姫さん!!」
ルチ「化け物め!!出ていけ!!この街から出ていけ!!!」
レギンレイヴ「痛い、痛い……痛いのは、嫌。嫌なものに、価値はない。銃は、要らない」
ルチ「ヒィイイイ?!銃が、こ、氷に……何を」
コロクワ「姫、さん……?」
レギンレイヴ「痛いことする、ルチさんも要らない」
ルチ「ァッ……アァっ?!凍る、足が、足が動かない……溶かせ!!おいお前!!その火を寄越せ!!……は、ぁ……は、温かい」
レギンレイヴ「私が溶ける……あぁ、火も、要らない」
コロクワ「姫さん!止まれ!!」
ルチ「町中のカンテラが……っ?!」
レギンレイヴ「要らない、要らない、価値がない」
ルチ「…ィイィイイイッ!!!!街に厄災を呼び込みやがって!!コロクワ!!!お前、ぉまぇ、が…ッ…おま、え…が……ッ」
コロクワ「ルチ!!…姫さん、頼む、止まれ、止まってくれ」
レギンレイヴ「……ダメ?」
コロクワ「ダメだ!!」
レギンレイヴ「貴方が、そういうのなら」
ルチ「……ハッ……あぁ、はぁ………」
コロクワ「姫さん、なぁ」
レギンレイヴ「昼も、要らない」
コロクワ「要らない要らないって、さっきからどうしたんだよ……」
レギンレイヴ「コロクワ」
コロクワ「……何だい?」
レギンレイヴ「貴方は、昼に眠り、夜に働く。それは、時間という概念への反抗だと…初めて会った時、そう言ったわね」
コロクワ「……そうだ」
レギンレイヴ「貴方は夕焼けのその一時に目覚め、朝焼けの始まりに眠る……それは、誰よりも、えぇ、誰よりも。時間に、縛られている」
コロクワ「……そう、かもな」
レギンレイヴ「宵闇におはようと嘯いて、暁におやすみと吐きつける。夜には働く価値がある、昼には眠る価値があると言う。でも、私には昼に価値がない。貴方は眠る、私はまた一人、1人は……もう、嫌。嫌、嫌、嫌?嫌って、どうして?昼は、コロクワには必要……」
ルチ「何を一人で喋っているんだ?!……出ていけ!!魔女ッ!!」
ー発砲ー
レギンレイヴ「痛い……痛いのに。コロクワは、凍らせるなって……あぁ、わからない。わからない!!人間が!あなた達が!コロクワがわからない!!この感情がわからない。必要、不必要、高級……低級?……価値、価値、価値……私は、人にとって価値はない。でも、あぁ、でも!!」
ルチ「腕が……ない……ッ?!」
レギンレイヴ「……私は、魔女。氷河の魔女。一人で、生きれ……あぁ……あぁ……」
コロクワ「姫さん、体が……溶けて、姫さん!!!」
レギンレイヴ「…コロクワ」
コロクワ「何だ?!どうした!?!暑いか!!早く寒いところに……っ!!」
レギンレイヴ「えぇ……帰らなくちゃ」
ーーー
コロクワ「もう、大丈夫か?」
レギンレイヴ「えぇ、平気」
コロクワ「そうか…良かった」
レギンレイヴ「えぇ、良かった」
コロクワ「姫さん。ものの価値、なんてのはな」
レギンレイヴ「えぇ、価値、わかったわ」
コロクワ「わかった?」
レギンレイヴ「えぇ、とても、とてもよくわかった。誰かに必要で、誰かには不必要。必要な人が多くて数が少ないほど価値がある。私は一人、でも誰にも必要とされない、だから、価値が……ない」
コロクワ「姫さん、そうじゃないんだよ。人同士、は」
レギンレイヴ「……?」
コロクワ「必要か、不必要か……そんなことじゃないんだ。ヒトの…貴女としての価値は」
レギンレイヴ「どういうことかしら?」
コロクワ「貴女は、俺のかけがえのない存在だ」
レギンレイヴ「……?」
コロクワ「俺と一緒なら楽しいだろう?」
レギンレイヴ「起きてる貴方と、一緒は楽しい」
コロクワ「……寝ている俺は?」
レギンレイヴ「楽しくないけど、寝顔は……そう、きっと、貴方の言う可愛い。可愛い、そう。」
コロクワ「可愛いって……はぁ、まぁいいや。要は、貴女は俺に価値があって、俺は貴女にとって価値がある……どうだ?わかるか?」
レギンレイヴ「他の人には?」
コロクワ「そんなの関係ない。人間どうし、ヒトどうしなら、俺らは互いに必要……それが俺らにとっての俺らの価値だ」
レギンレイヴ「……コロクワ」
コロクワ「なんだい、姫さん」
レギンレイヴ「胸が、苦しい。熱くて、溶けそう」
コロクワ「なっ?!溶けるなよ?!今いい話してんだから!!!」
レギンレイヴ「コロクワ、ありがとう。私、今、あなた達がわかったわ」
コロクワ「姫さん?!これ以上寒いところはないぞ!?……クッソ!!姫さん!!」
レギンレイヴ「行かなきゃ、あそこに。忘れなきゃ、貴方のこと」
コロクワ「ハァッ?!」
レギンレイヴ「じゃないと、溶けちゃう。消えてしまう」
コロクワ「どういうことだ?!」
レギンレイヴ「わかってしまったの。ごめんなさい、コロクワ、私は分かったことを貴方に言えない。言ったらきっと、解けてしまう。あぁ、寂しい……寂し……魔女になんて……ならなければ……よか……」
コロクワ「ウワッ?!顔が……ッ?!」
レギンレイヴ「……コ、ク……ァ」
コロクワ「ヒッ、なっ、冷たっ?!あっ、ちょ……溶けるな!!溶けるな!!」
レギンレイヴ「ぁ…」
コロクワ「…姫、さん……姫さん?……おい、なんで、水なんか……何がわかったんだよッ!?姫さん、姫さん!!」
ーーー
レギンレイヴ「ここは……?。氷河……?あぁ!あぁ!!溶けてしまった!!!
流れ巡り、廻り廻って、ここにカエって来てしまった。
あぁ、あの人の名前が思い出せない。忌々しい太陽のようで、夜に生きるあの人の名が思い出せない。愛らしく眠る人間が思い出せない。幼稚で、優しい、愚かな彼の名が!顔が!!別れ際が!!!
……あぁ、そうだ。あの人は、昼は眠って、夜は働く、それなら私は必要なんだ。
あぁ、熱い。胸が火照って、蕩けてしまう。体が、熱い、私は……私は、この熱を凍らせなければ!でないとまた蕩けてしまう!!
あぁ、もどかしい彼を待てど彼と暮らせど、分かっては生けない。
あぁ、何で私は、こんな契約を……夜にだけ、生きれるようにと願ったのだろう」
ーーー

最近、Vtuberの皆様がおはようとかおやすみとかボイス上げてるの見まして。

これは是非とも俺様も便乗だと思いました。

でもまだ活動してませんでした。


して「フリーのおはようボイス台本」ご用意しました。
是非是非お使いください。

ツイートやYouTubeでお使いになる際は、ハッシュタグで 
#ウバク台本 か こちらのサイトURL もしくは私のTwitterアカウント名 @SaigamiUbaku を紐付けしてください。

聞きに行きたいんだ!!!頼むって!!

……よろしくお願いします。


おやすみは後日更新。
ネタが思いつかないの。すみません。

ーーーー

男性向け女性向けありますが、語尾とか人称とかアレンジすれば全然行けるはず。改変、アドリブご自由にどうぞ。
キャラクター濃いめなのは、御容赦されたし。
恋愛要素強めなのも、御容赦されたし。

ーーーー
男性演者向け

1
「おは、よ。あ、朝ごはんできたよ…あはは……。え?!な、何か隠してる?!まさかっ!そんな!…何もやましいことは……はい、嘘です。ごめんなさい。いや、何があったのって!いやその、君が…寝言で、僕の名前呼んでたから……なんか、ちょっぴり恥ずかしくてさっ!それで……その、僕のこと、そんなに好きなのかなーって……い、今の忘れてっ!!」

2
「…ん…ぅ……もーちょっと。まだぁ、あと5分…っ。んー…あぁ、今日も大学だよ。でも、もーちょいだけ……うぐー…つーか、1限は概念なんだよ?わかるかい?1限は、あって……ないよーなものなんだ……だから…実際、もう小一時間寝ても実は大丈夫……ふふ、ほら、君もこっちおいで……いい子だから、ね?……ぐぅ…」

3
「とっとと起きろ。もう出発まで30分もないんだぞ?……ア?まだ眠いだと?ぬぁーー?!お前また夜更かししたな?!そんなんだからいつもいつも駅まで走る羽目になるんだろ!!少しは学べこのスカポンタン!我儘言わずに起きろ!!ほらっ!!ほーーらっ!!……はぁ、ダメだなこりゃ。仕方ねぇ、今日は車で送ってってやるか…」

4
「おはようございます。朝ですよ?まぁ、時刻としては昼ですが……えぇ?何で起こしてくれなかったのって。そりゃあ、ねぇ。グーグー可愛く寝息たててましたから、ずーっと…見ちゃいまして。どうします?予定通りお外に遊びに行きます?それとも、二人きり、お家でゆーっくり、ピザ頼んで映画でも見ます?」

5
「全く、感心しないな。いくら休日だからってそんなにぐうたらしていると時間がなくなるぞ。時は金なり、今日はやることがあるんじゃなかったのか?ん?…何だ?……まだ寝足りない?…はぁ、分かったよ。もう少しだけ寝かしてやる。起きたらキチンと、やることやるんだぞ。いいな?」

6
「朝だ、乾布摩擦の時間だぞ。外を見ろ、ほら、今日も絶好の天気……む?何だその不服そうな顔は。カーテンを閉めろ?…はっ、もやしめ。最近の若いのはやれヨウツベだTwitterだとインドアしおってからに。まぁ、やるのは別に全然構わないんだが……だがな?…だがしかしだ。ずっとそんなんじゃヒョロヒョロになっちまうぞ。ほれ、乾布摩擦だ乾布摩擦」

7
「アイヤー、清々しい朝ネぇ。ん?今日の予定?そりゃもう配信ヨ、配信。皆に笑顔を届けるのが私の仕事だしネ?うんうん。まぁ、それは夜だし。まだまだ時間あるネ。ゲームでもするヨ!!負けた方が勝った方の言うことを聞くルール施行してやるアル!ふふふ、負けないネ!絶対お願い聞いてもらうヨー!」

ーーー

女性演者向け
1
「おはよーー!!ねーねー!朝ごはん出来たよ!え?材料?冷蔵庫にある賞味期限近かったやつ、勝手に使っちゃったー!…あ、こら!寝ないの!!もー!私いないとき朝どうしてたんだこの寝坊助さんめ!!ほらー!!冷めちゃうよ?!私の作った目玉焼きとほうれん草ソテーが待ってるんだぞーっ!」

2
「お、おはよ。ん?うん、先起きちゃってな……なんか、ドキドキしちゃってな、うむ。その、な?君と一緒に寝るなんて何ヶ月ぶりだったからさ!少し、緊張してて……君は、そんなこと無いくらいグッスリだったな。ふふっ、今日は2人とも休みだし、もう少し寝ちゃおうか…?いいの?………へへ…嬉し…」

3
「朝ですよ、起きてください。ほら、外で雀さんが鳴いてますよ。朝ちゅんの時間です!え?意味違う?……ねぇ、お布団から出てきてください、ねーぇ……あ、丸まった…ワガママなダンゴムシさんです。許しません、くすぐりの刑です。こしょこしょこしょ~……って、全然効いてない……」

4
「また夜更かししてたんだろ?目のクマ、すっごいぞ。明日もあるってわかってんのにさぁ、何でそーゆーことするんだ?…え??怒ってないよ。ただ、身体の心配してるだけ…今日は帰ってきたら私と一緒に早く寝るんだぞ、いーな?夕飯作って待ってっからな。真っ直ぐ帰ってこいよ」

5
「おはよう。ん?どうしたの?あはは、寝ぼけてるんだね。眉間に皺よってるよ?……跡ついちゃいそう。ふふ、ほら、起きて?今日もお仕事でしょ?…え?違う?あれれ?今日は……あ、祝日でした。ごめんね起こしちゃって。もう1回寝る?……寝るの、そう。じゃあ私もお隣に失礼します……え?ダメ?いいじゃない、ちょっとくらい」

6
「朝だおー。起きるおー。って起きてた。あ、まさか、寝てない?……え?本当に言ってる?ビックリ。わぁ、じゃあ徹夜しちゃったんだ。イケない子。今寝たら何時に起きると思う?絶対夕暮れ時だよ?生活リズム逆転生活、あんまりよくないぞ。改めなさい!」 

7
「おはよう。ふふ、お布団あったかい。え?いつ帰ってきたのって、んー、君が眠って少しして、だよ。きっと。
えへへ、頑張ってる?本当?嬉しいなぁ、君にそう言って貰えるだけで、僕すごい元気出る。今日、帰ってきたらさ、一緒にしたいことあるんだ。え?ふふ、内緒。帰ってからのお楽しみ、ね?」


ーーーー

ここから先は完全に俺の趣味の奴。

友人に
お前が書くセリフ気持ち悪すぎて縁切りたい
とまで言わしめた作品群です。最早誇り。


男性視点多めなので、女性がやる際は変換されたし。

でも、以下の台詞は、うん。
読むと怒られると思う。

俺が、貴方のファンの皆様に。


ーーーー

1
「おはよう。ん?上機嫌だね……?うん、そりゃあ……ねぇ。面白いことに気づいちゃったからさ。ん?いや、君の全身にある黒子を結ぶとね、とても綺麗な三次関数グラフ作れそうだなって、さ」

2
「おはよう。風邪大丈夫?まだ食欲わかない?うんうん、そうだよね。安心して?今の君でも食べやすいようにお粥作ってきた。もぐもぐ……え?なんれおまえがたべてるの?って…ゴックン。そりゃあ、熱々のまま君の口の中に直に注ぐためだよ。はい、それじゃあ1口目いくよ?…もぐもぐ……」

3
「おはようございます……え?何も見えない?そりゃあそうですよ。目隠ししてあげてるので。それではここで問題です。今アナタの鼻先に当たってるこれ、なーんだ……分かったらすぐ解放してあげますから。なーんだ…あはっ!大正解!流石ー!そうです、私の大事なところです」

4
「おはよう。ん?遅刻?あぁ、目覚まし鳴らなかったからね。起こしてよ?えぇ何で?起きたら貴方お仕事行っちゃうでしょ?……私が職場に電話かける前に。え?何で電話したのって…あははぁ。安心して!皆喜んでたよ!とうとう貴方が寿退社かぁって」

役割合

男性:女性:不問

1:1:1


台詞量割合

エネロ♂:ミィ♀:テンシ

6:2:2


諸注意

〇〇「」→台詞

〇〇M「」→モノローグ


男性

エネロ・ラスターチカ

15~18歳程度の精神年齢

気弱でマイナス思考、過去に犯した罪により不老不死になってしまった。

台詞6割


女性

ミィ・チャーイカ

13~16歳程度

頭のネジがぶっ飛んでる。コッペパンが好き。

台詞2割


不問

テンシ

15~18歳程度のイメージ

突如エネロの前に現れた、彼と瓜二つの男。神と名乗っているが、ちょっと違うらしい。

台詞2割




エネロM「 夜も、朝も、僕をおいていく。欠かさず捧げていた祈りも、あの頃に置き去りにして。皆の名前が、声が、姿が…思い出すらも、全てバラバラになって、もう元には戻らない。読み飽きた本と、回らなくした時計、適度な食事と、睡眠と、清潔…数えることをやめた償いの日数。それでも、お墓の前で手を合わせることだけはやめなくて。皆の名前を掘りこんだ石の前で、手を合わせて、何度も文字を確認しながら、口を動かす」


エネロ 「ごめんなさい」


エネロM 「それだけが重なっていく。積もって、積もって、堕ちていき、土に潜り込んでいく。後には何一つとして残らない。掘り返しても、出てくるのは骸だけ。どんなに謝っても、誰も怒りも許しもしない。泣き叫んでも、感情が溢れて何がなんだかわからなくなって、笑い出してしまったとしても。土は土のまま。墓標は墓標のまま。屍は帰ってきはしない」


―SE:風の音―


エネロ 「…ごちそうさま」


―SE:食器の鳴動―


エネロM 「いつからか、三人分のご飯を用意するのをやめた。獲物を最小限に留め、適当な煮込み料理だけを食べるようになった。桶で水を汲んで、ボウルとスプーンを洗い流す」


エネロ 「…あ、薪…足しておかなくちゃ」


エネロM「 バラバラの薪を取り合えず山積みに、と。肌寒い。マフラーしっかりしないと…あ、あった。薪…って、風で散らばってる…」


エネロ 「…?」

―SE:トラツグミの声(鳥の鳴き声)―


エネロM「 …鳥、かな。たぶん、鳥。きっと、鳥。まさか、魔物…?」


エネロ 「…もう、寝よう」


エネロM 「何も聞かなかったことにしよう。薪は、もう置いて…。死ねない体だとしても、痛いものは痛いんだ。魔物や、ワイルドハントにいたぶられるなんて、嫌だ……死ねるのなら、かまわないんだけど」


 ―SE:風の音と家鳴り―転換ー


エネロM 「風が巻き始めた…家鳴りが酷い。時おり何かを壁に叩きつける音すらしてる、あ…きっと、薪だ。窓ガラス…割れたらどうしよう。刺さると痛いんだよなぁ…」


エネロ 「よいしょ…っと」


エネロM 「ベッドを反対の壁際に寄せとこう、あと、カーテンに開けた穴に無理に矢を通して…鍵に……これで、まぁ破片は平気だ…。揺れに耐えかねて、全部崩れない限り」


エネロ 「……一匹……二匹…三…ひ…き……」


エネロM「 寝ようとすればするほどに、眠れない。だとしても、この階段を踏み外したかのような浮遊感が…」

(間)

エネロM「長い。嘘だ、長い。こんなの、最早落下だ。眠る間際なのに意識が鮮明で…あり得ない。落下の合間、うわっ、ちょ…眩しい。何だ、今の光…明るい靄まで……あ、夢かな。いや、でも…なんだろう、気持が悪い。こんなの初めてだ。こんなに、長く生きているのに」


エネロ 「わ、っ……あ、帰ってきた…良かった。水でも飲もう…は?」


―SE:風の音―


エネロM「 居間がない。見覚えの無い平原が広がってる。ベッドに似合わないな…」


エネロ 「え?」


エネロM 「青空の上、似たような円形の島が、足跡みたいにぽつぽつと…」


エネロ 「……い、いひゃい」


エネロM「 頬を抓っても目が覚めない。僕のベッドが、見知らぬ島の真ん中に鎮座している」


エネロ 「…ぇ、ええぇっ?!」


エネロM「 そこら中に雲まである…ふわふわして…あ、指の間から…逃げた。岸壁の先は確かに空があって…でも、島の群れ以外何もない。わからない。なんだろう、ここ。森から浮き島に突然移動しちゃうなんてこと、あり得ないし……幻覚?」


テンシ 「……ェ……ネ、ロ」


エネロ 「…へ?」


テンシ 「エ……ネ…ロ」


エネロM 「人の声?エネロ…エ、ネ、ロと途切れがちに…エネロって。あ、僕の名前だ…どうして? 誰が、僕の名前を知ってるの?」


テンシ 「エネロ」


エネロM「 はっきり聞こえる。男の子の声だ…雲がほどけて、暗い雲になって…か、風が逆巻いてる…このままじゃ危ない?!草が擦れる音が…ッ、心臓がばくばくする。体が、跳ねる。嫌だ。この感覚、なんか…あのときみたいだ」


テンシ 「エ、ネ…ロ」


エネロ 「…誰、どうして…僕の名前…」


テンシ 「エネロ」


エネロ 「だから…!……だ、誰…です、か…っ」


エネロM 「黒い、雲の影に呼ばれている。暗雲が風に乗って、螺旋を描いて目の前で縮こまって…雲が姿を変えていく」


エネロ 「ヒッ…」

―SE:閃光―

エネロM「黄色い光が目を射抜いた、ッ…頭痛?!…痛いッ…落ちないように、とりあえず広場の中心で、踞って…何がどうなってるの?わからない、僕が何をしたんだよ…あぁ…まさか…これが、あのときの償い?……変なところに飛ばされて、変な天候に脅かされて、変な頭痛に悩まされて…目の前の雲が、人の形になって…こっち…来るのがっ…僕が、皆を殺した、ことの償い?」


テンシ「ラスター…チカ」


エネロ 「来ない、で…嫌だッ」


エネロM 「この感覚は、アレが来る。飲まれる、あの嫌な黒霧(こくむ)に。全部、全部飲み込んで、何もかもをなくしてしまうまで…止まらなくなる。嫌だ、やめて…来ないで!!このままじゃ僕は、この雲を、殺しちゃう!!」


テンシ 「エネロ、ラスターチカ」


エネロ 「ッ…グ、ア"アア"ア"アアッ!!!」


―SE:地鳴り―


エネロM「影が、嗤った確りと、僕を見て。頭痛が収まっていく。黒霧が延びていって、草も土も、岸壁も…全てを崩していく音がする」


エネロ 「離れて!!早く…早く、離れて!!!」


エネロM「全てを塗りつぶしていく。黒が、目の前にいる影だけを残して…苦しい、苦しいのに、体が楽になっていく。僕の叫び声が、残響が…風の音より大きくなって……」


エネロ「僕は、僕は…もう…誰も殺したくないッ!!」


エネロM「そう叫んだ瞬間、全ての音が止まる。黒霧が、忽ちに消え去って、さっきと変わらない穏やかな景色に、僕と人影が残った」


テンシ 「…はい、落ち着こうね」


エネロ 「ィ……ァ"…ぇ?」


テンシ 「こんにちは、エネロ君」


エネロM「人影は、僕の顔を見て"僕の顔"で笑った」


エネロ 「だ、ぇ…僕?!」


テンシ 「エネロ君だよね…初めまして、死神サン」


エネロ 「死神…っ?」


テンシ 「話、聞いてくれるかな?」


エネロ 「ぇ、あの…待って!…本当に、待って、どういうこと…?君は?…ここは?黒い、霧は?それに、何で…僕そっくり…?!」


テンシ 「全部に答える時間は、あんまり無いかもなぁ……」


エネロM 「困ったように笑う僕の顔を、僕は初めて見た。本当に、水面に映る僕の顔だ。髪の毛と目の色が黒いことと、変な服と、鳥の羽が生えてることだけ除けば、僕にそっくり。いや、それ最早僕じゃ無いんじゃ…いいや、それでも、顔は、本当にそっくりなんだ」


テンシ 「エネロ君、初めまして、ほらまずは挨拶しないとネ」


エネロ 「は、初め…まして……あ、あの、その、怪我は?」


テンシ 「無いよ?だって僕、神様だし」


エネロ 「神様…あぁ……神様?!」


テンシ 「うん、神様…正確にはちょっぴり違うけどネ」


エネロM 「踞る僕に目線を合わせて、僕…じゃなくて神様はにっこり笑った。僕、こうやって笑うんだ」


テンシ 「600年近くも、よく一人で耐えたね」


エネロ 「…ろっぴゃく、ねん?」


テンシ 「…君がだしちゃうあの黒い霧で、村にいた人間どころか、森の木々でさえ鏖殺(みなごろし)にしたあの日から、君はおおよそ600年の時を…僕のかけた”加護”によって、一人過ごしたんだよ」


エネロ 「みなごろし…600年…」


テンシ 「こんなに頑張ったならもういいだろうって、思ったんだ。赦してあげる」


エネロ「赦してあげる?って、どういうこと…?」


テンシ 「君に…死ぬチャンスをあげるよ」


エネロ 「死ぬチャンス?!…僕が?!」


テンシ 「うん、あの森も昔の姿をほとんど取り戻したしネ…君のお陰でさ」


エネロ 「あ…木…だけは、頑張って育てました」


テンシ 「…村の人達はヌエのせいで帰ってこれないけどね」


エネロ 「ヌエの、せいって…?」


ヌエ 「あはは…そこからか」


―SE:指パッチン→ボンッ―


エネロM「 神様が指を弾くと、軽快な音と共に後ろに椅子が降ってきた。座って、と促されて軽く腰かける。なんか少し歪んでるけど…申し分ない」


テンシ 「ヌエは、知ってるよね?」


エネロ 「ヌエ…え?えっと、大昔に、空から生まれた化け物で…死んだ人の魂を寄せ集める存在でしたっけ。あれ?もう、とっくに勇者のおかげで居なくなったんじゃ…」


テンシ 「うん、君が生まれる随分前に勇者達の手で地下の亜空間に幽閉されたからね。まぁ、その、幽閉だからさ。まだいるんだよ、アレは」


エネロ 「え…?」


テンシ「しかも超元気」


エネロ「えぇ?!」


テンシ「ご健在だよ」


エネロ「ご、ご健在…じゃあ!!もしかして、僕が…僕が殺してしまった村の人達の魂も、寄せ集めてるまま、幽閉されてるってこと?」


テンシ 「そうそう、まぁ、そんな感じ」


エネロM 「飲み込みがいいと笑う僕の声は、椅子に座るのに飽きたみたいで…なんだかわからないけど羽を使って生身のままそこら中を飛び回る」


テンシ 「君に、お願いがある。それが最後の贖罪だ」


エネロ 「おねがい?」


テンシ 「うん、ヌエを殺してほしい」


エネロ 「…はい?」


テンシ 「君なら殺せる。その力があれば…滅ぼせる。封印するだけじゃダメだったアレを」


エネロ 「…力?」


テンシ 「君の黒い霧はね、生き物の命の源であるマナを奪い尽くす力なんだ」


エネロ 「なっ…はい?!」


テンシ 「そう。世界中を探しても、君にしかない希有なアビリティだよ」


エネロM「僕にしかない…?!」


テンシ 「それでヌエを殺してほしい、縛り付けられている魂達を解放してほしい。死霊全てを、この世界の輪廻に還してあげてほしいんだ」


エネロ 「…待って、あの、話が大きすぎて」


テンシ 「君が600年あの森に閉じ籠っていた合間に世界は様相を変えた。時が経つにつれて、ヌエの元に引き込まれた死霊達は亜空間に収まりきらなくなった。地上の至るところに噴出しては悪さをするようになっていてね……エネロ君はワイルドハントに会ったこと、あるでしょう。アレはね、そうやって生まれた物なんだ」


エネロ 「……!」


エネロM 「嫌な記憶だ。家族で、ご飯を食べていた時…だった気がする。そこに現れて…二人を……それが嫌で、矢をつがえて、でも間に合わなくて。結局、それが怖くて、死にたくなくて…僕は…自分の知らない力で…生きたいと、死にたくないと願ったばかりに全てを殺した」」


テンシ 「ワイルドハント。ヌエの元にいながらにして生き返りたい、やり直したい、そんな悔恨や願いを糧に現世に足をかけて一時的に戻ってきてしまう存在…そこいら中の生き物や道具に取り憑いて悪さをする…最近はそれの被害が悪化していてネ」


エネロ 「なる…ほど…」


テンシ 「ヌエを滅ぼして死霊を解放するしかないんだ…じり貧なんだ。ワイルドハントに殺された生物の魂はヌエのところに行く、被害が拡大する…新たなワイルドハントが生まれる…アレは全てを殺すまで止まらない」


エネロ 「……」


テンシ 「でも、君は死なないね?」


エネロ 「は、はい…」


テンシ 「何があっても、死なない」


エネロ 「はい…」


テンシ 「僕が、君が犯した罪を購えるようにと、不老不死にしたために。死ねない」


エネロ 「はい……」


テンシ 「ヌエを…殺して、死霊を助けてあげて…そうしたら」


エネロM 「宙に浮いていた僕は、突然近寄ってきて鼻が当たるほどの距離で」


テンシ 「君が世界を救ってくれるなら、その悠久の命を、僕のこの手で、確りと終わらせてあげよう。手ずから君を殺してあげる」


エネロM 「僕の声で、そう言った」


エネロ 「……本当に?」


テンシ 「モチロン」


エネロ 「……やるだけは、やります」


テンシ 「ナイッス~っ!!!その返答、待ってたよ!!」


エネロ 「は、はぇ…?」


テンシ 「エネロ君は内気だからさぁ…なんか、えぇ…僕なんか…とか言い出すかなぁって思ったんだけど。そっか、やってくれるんだね…」


エネロ 「…はい」


エネロM 「なんか、小バカにされてる気がする」


テンシ 「じゃあやり方を説明しよう……と、思ったんだけど…朝焼けか。もう時間がない」


エネロ 「時間…?」


テンシ 「僕はまだ、夢の世界にしか出てこれないんだ……ごめんね、ヌエの力を押さえつけていけばもっと話せる時間は増える……」


エネロ 「いや!せめて!どうするのかは教えてください?!」


テンシ 「…君の家に…来る…女の子の…話を……聞いて…っ」


エネロ 「お、女の子?!…待って、ぁぁあなんか透けてる…?!」


テンシ 「力が…っ……少女の話を…聞いて、彼女も…君と同じ…目標…だから…っ」


エネロ 「か、神様っ!ちょっまって…!」


テンシ 「ごめん…っ」


エネロM 「途端に世界が弾けた。全てが黒く塗りつぶされて。瞼の裏の景色が帰ってきてしまう」


エネロ 「……ッは………家…だ…っしょっと」


エネロM「 ……夢だったのかな。にしては、ヤケに…リアルだし。本当に、救うのだろうか。世界を。そうしたら死ねる?……それなら、やってやる。僕の償いが、終わる。彼の、神の願いを果たしさえすれば、救いさえできれば、僕はやっとこの命を捨てられるんだから」


エネロ 「……え、えっと…」

エネロM「 僕、変だ。お茶でも飲んじゃおうかな、なんて気分になっている。食器棚の片隅に寄せられた、湿気ったお茶ッ葉をお湯で暖める、たしか…そう。これ、網にいれて、お湯に落ちないようにして…味だけとりだすんだ……ヌエを倒すのか。っていうか、倒す?できるのかな、そんなこと。でも、そうしたら…弓と矢の準備はきちんとしておこう。マフラーも絶対に持って行かなきゃ。鍋の湯をチラチラ見ながらの、旅支度」


エネロ 「…っと、あ…矢尻…どうしよう。もうぼろぼろだ」


エネロM 「外に売ってるかな。きっと…あっ、お金!!…貯金箱…貯金箱…あった…5000ラルク少々…いや、まって600年も経ってるなら…このお金使えない可能性が…」


ーSE:激しいノックー


エネロ 「…~ッ!!?」


エネロM 「か、風…?扉がドンドンと揺れている。一定の、リズムで」


ミィ 「すみませぇええええんっ!エネロ!ラスターチカさんの!お家ですか!!誰かいませんかぁああああっ!私、ミィ・チャーイカっていいます!一緒に!世界を救いにきました!!」


エネロ 「人だ…お、女の子だ……ま、まさか…神様が言ってたのって…!」


ミィ 「…アレ?誰もいないのかなぁ…」


エネロ 「……」


エネロM「だ、だめだ。体が動かない…怖い、生身の人がいる?!それだけで身が縮こまった、わからない。なんで…っ、いやでも…でないと、このまま帰っちゃったらそれこそもっと大変だ。何て言って出るのが正解? どちらさまですか? はじめまして? なんですか? そうです、僕がエネロです? どれ…?」


ミィ 「…むー?……ぁ、この壁……ちょっと脆いな」


エネロ 「…壁?」


―SE:とんとん―


ミィ 「んー!これならイケる!」


エネロ 「いけ、る?」


ミィ 「中に誰もいませんかーっ」


エネロ 「へ…?」


ミィ 「いませんねーっ!いっきまーすっ!」


―SE:レールガン―


ミィ 「気流干渉、あじてーとっ!風よ、はばたけっ…!!」


エネロM 「嫌な予感がする。離れなくちゃ、一体全体何をする気なんだ…?!」


ミィ 「ノーマジッ!キューーマッ!!!」


エネロ 「わっ、わああぁぁあぁああああっ?!」


ーSE:崩落ー


エネロM「声も束の間、壁が弾け飛ぶ。木の板がそこいら中に散らばって、体が反対の窓の下に叩きつけられた。棚から本が崩れ落ちて僕に降り注ぐ。痛い!!」


ミィ 「っせーぃ……ぁぇ?人…」


エネロ 「ったたた……おもっ…ぁ…ちょっ…」


ミィ 「わぁぁぁあああごめんなさいいいい!!!」


エネロM 「冷たい鉄が僕の上の本をバサバサとどけていく。ちょっと待って、本当に…打ち付けられて腰が…」


ミィ 「い、いるなら返事してよぉおおっ!」


エネロ 「…す、すみません……っ」


ミィ「怪我してないっ?大丈夫?…もぉおおお…」


エネロM 「何で僕が怒られてるの…?」


エネロ 「大丈夫です…っ…」


ミィ 「うぅ…ごめんなさい…」


エネロ 「…ぇ、ぁ…いえ…」


エネロM 「最後の本が投げられると、金髪でピンク色の目をした女の子が、かがみこんで、眉をさげて僕を見つめていた」


ミィ 「立てる…?」


エネロ 「ぁ、はい…」


ミィ 「…っしょ…っと」


エネロM 「ものすごい力で引っ張られる。身長は、僕より小さくて…重そうな全身に鉄の鎧を着込んでいる。背負われた大きな斧が、この子の獲物らしい」


ミィ 「…初めまして!ミィ、チャーイカ…です」


エネロ 「え、えと、え、えねろ、え、エネロ…ラス、ターチカ…です」


ミィ 「…何で返事してくれなかったの!」


エネロ 「だ、だって…そんな…突然…」


ミィ 「うぅ…むうぅ…」


エネロ 「す、すみません」


ミィ 「いいよぅ…ドッカンしちゃった私がわるいもん」


エネロ 「ど、どっかん…」


エネロM 「不思議な子だ。なんていうか、表情がぐるぐる変わる。あちこちを見回しては、落ち着きがないし。なにか、そんなに変かな…」


エネロ 「あの、チャーイカ、さん」


ミィ 「ひゃぃ!」


エネロ 「…その、えと…一緒に…行ってくれる…の?」


ミィ 「うん!!もちろん!そのためにここまで来たんだもんっ!」


エネロ 「や、やり方…とか、わかります?」


ミィ 「ヌエの倒し方?」


エネロ 「そ、そうです」


ミィ 「わかるよー!教えてもらったし、後で教えてもらえる!」


エネロ 「そ、そう…」


エネロM「 神様、この子には説明したんだ」


ミィ 「じゃあ早速行こーっ!!」


エネロ 「ふぁ、え?!待って!!流石に準備が…」


ミィ 「あ、そっか」


エネロ 「…少し、だけ、お願いします」


ミィ 「はーいっ…ぁ、お腹すいてない?」


エネロ 「お、お腹?」


ミィ 「旅に出る前にはしっかりご飯たべないと!」


エネロ 「あ…はぁ…」


エネロM 「そうすると、彼女は腰の辺りにある鞄をモソモソたいじりだして、にひーっと声付きで笑った。なん、え?なにが出てくるの…。食べ物かな…?」


ミィ 「それでは問題です!」


エネロ 「問題?!」


ミィ 「パンはパンでもぉ…!」


エネロ 「ぱ、ぱんは、ぱんでも…?」


ミィ 「食べられないパンはぁ…!」


エネロ 「た、食べられないの?!」


ミィ 「こっぺぱーんっ!」


エネロ 「こっ、こっぺぱ…ん?」


ミィ 「はい、コッペパンあげるー」


エネロ 「こっぺぱん…?」


ミィ 「“え?!コッペパン知らないの?!」


エネロM 「ピンクの目がこれでもかと広がる。し、知らない…なにこの、いい匂いがする。ふかふかの…食べ物?食べれるよね、これ」


ミィ 「コッペパンは美味しいパン!」


エネロ 「ぱん…?」


ミィ 「はい、食べて!」


エネロ 「た、食べるの…?」


ミィ 「もぐもぐしてっ!」


エネロM 「口に突っ込まれる。金髪がふさふさと揺れて、どうよ、どうよ、と感想を求められる。口に入ってるんだから、喋れないんだってばっ!窒息する前に、かみ砕く。ふぇ、何これ…。美味しい。確りと飲み込んで、またもう一口食べる。美味しいっ!!!すごい!!」


ミィ 「…にひひーっ…気に入った?」


エネロ 「ん、ん…んま…!」


ミィ 「良かった~!いっぱいあるから、いっぱいたべていいよぉ!」


エネロ 「…っ?!」


エネロM 「バッグに入ってるコッペパンの山にビックリする。すごい、この子、大好きなんだ!」


ミィ 「にへへ…ぉ?なんか、グツグツ音がしてる」


エネロ 「…んっぐ…あっそうだ、お茶…!」


ミィ 「あー!お茶沸かしてたんだ、わかった!淹れてくる!」


エネロM「 熱い鍋をそのまま籠手でつかんで、カップに茶を注いだ。それも二人分……君も飲むんだね」


ミィ 「エネロ~っ!この隣のはー?」


エネロ 「…そ。それは、スープ…ウサギの」


ミィ 「ウサギさん?……美味しいの?」


エネロ 「…うん」


ミィ 「じゃあこれも飲んじゃおう!しばらくお家帰れないしね!!」


エネロ 「は、はい」


エネロM 「彼女は小さく呪文を唱えて、コンロに火をつけて寸胴を乗せた。外には火の魔法…そんなのあるんだ」


ミィ 「ふふーんっ…いいにおーい!」


エネロ 「そ、そう?」


ミィ 「うん!……ふへ、ここで食べよっかー」


エネロM 「埃と木の屑まみれの食卓を手で払って、お茶を置く。気がつけば僕も、出来上がるのを待っていた。不思議な人だ。気づけば、なんか流れに飲まれていた。あ…コッペパンが、無くなっちゃった」


ミィ 「っしょー!できた!器借りるねー!」


エネロ 「は、はい」


ミィ 「よっとっと…おっしょっ……」


エネロ 「あ、平気…?」


ミィ 「このくらいへっちゃら、まだまだ重いもの持てるよーっ!」


エネロM「彼女はスープを持ってきて僕の向かい側に座る、久々の…他人とのご飯。斧をおけばもっとやりやすいんじゃないかとか言えなかった」


ミィ 「はい、それじゃあ!」


エネロ 「はい?!」


ミィ 「いただきます!!」


エネロ 「い、ぇ…いただき、ます」


ミィ 「ほい、追加!」


エネロM 「テーブルに二つのコッペパンが載せられる。不思議な感覚、人との、ご飯」


ミィ 「準備終わったら、パパっと行っちゃおうね」


エネロ 「は、はい…あの…やり方は…」


ミィ 「ん?…んー、そこはご飯の後で説明するよぉ…」


エネロ 「は、はぁ…」


ミィ 「美味しいねぇこのスープ!!」


エネロ 「あ、ありがとう…」


ミィ 「コッペパンにあうね!」


エネロ 「あ、あは…は…」


エネロM 「すごい早さで互いのスープとコッペパンが消えていく、僕も僕だけど、よく食べるなこの子」


ミィ 「エネロはさ、ここに一人ですんでるの?」


エネロ 「う、え、はい…」


ミィ 「へー…そっか!」


エネロ 「はは…は……チャーイカさんは、ここまで、その、一人できたの?」


ミィ 「うん!」


エネロ 「よ…よく来れたね」


ミィ 「二日くらい迷った!」


エネロM「 結構迷ってる。そんなに広くないのに…」


エネロ 「…これて、良かった…うん」


ミィ 「にへー…へへー……あっ!そーだ!」


エネロ 「な、なんです!?」


ミィ 「これからずーっと…ってわけじゃないけど、二人四脚!二人で頑張るんだからさ!名前で呼びあおー?」


エネロ 「え、えと?」


ミィ 「だって、チャーイカさんチャーイカさんって、長いじゃん。私だってラスターチカさん、ラスターチカさんって危ないときとか呼んでられないもん」


エネロ 「あ、あ…はぁ…」


ミィ 「ミィ!ミィって呼んで!」


エネロ 「み、ミィさん…」


ミィ 「ミィ!」


エネロ 「み、ミィ…ちゃん」


ミィ 「ミ!イ!」


エネロM「顔が迫る、あの口の端にコッペパンの欠片が…とか、いえない」


エネロ 「ミィ…」


ミィ 「エネロ!」


エネロ 「み、ミィ」


ミィ 「えーねろっ!」


エネロ 「よ、よろしく…おねがい、します」


ミィ 「不束ものですが!よろしくお願いしまーすっ!」


エネロ 「ふ、ふつつ、ふつつか…よ、よろしく」


エネロM 「…大丈夫なのかなぁ……。ベッドの横の風穴から、昨日よりも暖かい風が吹き込んできた」



次の話は今週中に


今、この記事書いてるときで81Viewなんです。今週の閲覧数。ちょっと背伸びして、もうひと記事、回れ回れ、俺の文。
むかーしむかしに運営していたサイトでもこの速度でカウンター回ることなかったので、年甲斐もなくはしゃいでます。
もう少しで、規約の整備が終わります。

私自身、二次創作あがりの書き手なので…そこについてちょっぴり深く書いてます。
よく皆様仰ってくれるんですよね、こんな二次創作していい?ダメ
なことは?って
嬉しい次第です。皆様本当お優しい。


私の見解としてですが、ほとんどNGないです。私のキャラ使って勝手にお金稼いだり、政治思想語らせたり、誰かに不利益が生じない限りね。

この話のここが気にくわない!なんでこのキャラ死んじゃうの!とか、色々皆様が思いを抱える次第であれば書き換えてくださって構わない。
彼らや彼女らの運命は、きっといくらでもあるのでね。
ただ、このお話は私が観測したものなので、あなた方の子たちじゃ、あなた方の世界じゃないから、公式とは言わないでね。
あくまで二次創作だよ。
そういうとこだけ気を付けてくれれば、もうお絵描きも小説も、動画も、年端がいってるならエッチな漫画でもいくらでもかましてやってくださいな。
イベント出品とかするなら言ってくれれば公認スタンプでも押すよ、それであなたの懐潤してくれていいよ。申請してくれればね。
こういうところが根幹にあるので、結構トラブルに見回れやすいんですよね。
でも、俺の作品に興味持ってくれたんならやっぱり、こっちとしても推したいんだよなぁ。なんて
まぁ、そんなファンができる作品書いてから宣いましょうか。頑張ろう。

サイト作って二日目、誕生日を迎えました。
ウバクです。
特段何か変わるわけではないんですが、なんか嬉しいですね。まだ嬉しい年頃。
さて、何か書きましたか?と言われれば

全くもって、書いてない

やばいやばい。書かなきゃね。
時間は有限だしね。もうインフルとかやりたくないなぁ。
といいながら、今日就活のアレコレしろってやつなんですよね。
あとレポートも終わってない。
あれ?波乱の幕開け…頑張れ俺~っ

本年もよろしくお願いします。
皆と楽しい時間をつくりたいぞぉ。

謹んで新年のお悦び申し上げます


というわけでサイトができました。ウバクです。

当方、世界観だけが売りなので、結構意味不明ですよね。

自分の考え全部落とし込んだら、こんなんなりました。

記事管理が難しくて、ここからまた別サイトに飛ぶ・・・みたいなクソ方針に切り替えなくてはならない気すらしています。ブログしかないのこれ・・・平気?どう縦読みにするのこれ。ねぇ、どこなら俺は楽々投稿できるの。


というわけで、構想していた作品を全部書き出したんですが、計10作もありました。

バカか。一気に書くなんざ骨折れるぞ昔の俺。と思ってる次第です。

しかもよく見たら大概の構想の渦中に友人の小手入れがあるんですよ。

戦犯は彼と中二病時代の私です。

今回はそんな作品のあらすじ全部を140文字くらいに纏めました

俺の備忘録代わりにしてますが・・・何か、一応、読んでくれたら嬉しいです。

ていうか最早供養。


1.UNIVERS

森の奥に住む不老不死の青年エネロは、真夜中に不思議な夢を見る。

「君が世界を救ってくれるのなら、僕が直々に君の願いを叶えてあげよう」

自分と瓜二つの青年はそう告げて、朝焼けの中に消えていった。

突然のことに驚きながらも、エネロは世界を救う旅にでることを決心する。

世界を救うため、死ぬために、青年は弓を引く。


2.NASAR:BOUNCĠU

新興宗教にハマる母親を改心させるべく単身で教団に乗り込んだ高校生、教野ツカサは当たり前のように捕まり、神への供物として左の眼球を抉りだされてしまう。

その後に閉じ込められた牢の先で見つけた母親の亡骸は白骨化しているし、牢の人間は一人、また一人と日に日に姿を消していく。

最後の一人になったその日、牢の鍵を開けたのは教団の輩でも、警察でも無く、一人の無頼漢であった。


3.RELIC:EATER

田舎町の鍛冶屋の息子メルルーサは双子の姉ペスカと共に二振りの剣を鍛えあげた。

それを携え首都に赴く二人は、道中で一人の老人を助ける。

「心優しい子供達だ、お礼に霊剣の作り方を伝授しよう」

伝説の鍛冶職人から聞いたレシピで鍛えあげた剣はとてつもないお喋りで・・・


4.GRIM:REAPER

高校生の増田アウラは実家の倉庫で薄汚れた腕輪を見つける。

腕に嵌めた瞬間、それから生じる禍々しい瘴気に包まれると少年は鎌を背負った謎の骸骨に担がれビルの屋上にワープしていた。

空間が張り詰めて、皮膜かのように紅いエネルギーが周囲を覆う。

数多の烏と黒い蝶が人型を形成していく。

不可思議な影との戦闘に高校生は巻き込まれていくのだった。


5.LUCIFERIA

努力によってマサイ族並の身体能力を得た女子剣道部主将、黎野明華は疲れからか地下鉄半蔵門線に轢かれて死んでしまう。四肢と跳ね跳んだ首を見下ろす自分に驚きを隠せない。

「え、やっぱり、バチクソ可愛いじゃん。エモっ、さっきまで息してたとか、えっ」

金髪の眉目秀麗な男がローアングルから彼女を覗いていた。

「申し遅れた、私はルシファー。冥界の王にして貴女の伴侶たる男だ!!」

大厄介事に巻き込まれた少女と、どこか抜けた魔王のラブコメディ。


6.666WARD

後天性無痛症に罹患した女性、言切茜は世界で唯一その病を治すことができる医者の元に3ヶ月間の治療に赴く。大海の孤島には大きな病棟がポツンとあるのみで怪しげなオーラが漂う。

「あぁ、君が件の患者か。安心したまえ、たかだか一週間で治るだろうさ・・・えぇ、えぇ、それはそれはもう、簡単に」

にやけ顔によれた白衣の男は、そう宣い、カルテを差し出すでもなく女の首筋にナイフを突き付けるのだった。


7.CADINAL

太陽と月が滅びた時代、人々は幾つかの疑似陽光炉の元で暮らしていた。

貧民街の安酒場で飲んだくれる男キルシュヴァッサーの前に、瀟洒な身なりをした少女が躍り出る。

「貴方の噂はかねがね聞いているわ。キルシュヴァッサー=エーゲンハルト。私のため、いいえ、世界のために力を貸しなさい」

女と酒にだらしない三十路間際の殺し屋は、世界を掬うため旧世界の兵器、カーディナルへの搭乗を余儀なくされる。


8.THĒRION

名も知れぬ青年は煉獄の淵にて眼を醒ますのであった。

周囲が炎と溶岩に囲われたソコに歩み寄る人影は、一人の麗人で、まるで周囲が凍てつくかのように溶岩の上を悠々と闊歩している。

「おはよう、セリオン。さぁ、ラプラスを殺しに行こう」

誰とも無い名を呼び、女が男の手を取ると周囲の形式が目まぐるしく姿を変えていく。

全てを思い出したような、そして、そうではないような。不思議な感覚に陥る。


9.Aragi:Izen
巷で跋扈する四人の殺人鬼は日替わりで、特段ルール付けもなく人殺しに興じていた。
「唯物論を知ってるか?あぁ、あと…カウンターパートも」
一人の学者が、事件の真相に手をかけるが、その晩にふと、置き手紙を残し姿を消してしまう。
「人とは、他人とヒトその両義を持ち得ながらにしてその両者を排斥する生物なのだよ」
箱庭で踊る少女は、殺人鬼の夢を見続けたかったが…。

10.Mad:Hatter
シルクハットに洒落たストールを羽織った男、ホーエンハイムは組織に命令されとある二人組を匿うべく霧の町をしらみ潰しに歩き回っていた。薄汚れたカンテラが船頭で揺れる、小さなゴンドラであの男をみかけるまでは。
「神は死んだ…などと、私も切に言いたいところだけれど。いるんだよ。本当に、本気で」
聖と俗が殴りあい、アマルガムは拳をとって目まぐるしく形を変える。

もうなんか、全部あらすじ似てるな。まぁいいか。

とりあえず、最初にあったUNIVERSから着々と書いてます。

次皆様にお会いできる時には、もう少しね、体裁整えて、お目にかかりたい。

それでは。